「21世紀型マーケティング」(#006)暗黙知とは?(2)
『日刊「WEBのツボ」 ~次世代WEBマーケティングを読む~』に掲載
http://www.soho-union.com/
【○】本日のお題 「21世紀型マーケティング」(#006) ━━
咲本@時計台ネット
▽ 暗黙知とは?(2)
前回のコラムをお読みいただいた方々から、多数のメールをいただきました。
今回はそのメールでのご投稿を元にお話いたします。
投稿A:「暗黙知理論をマーケティングに持ち込まれた試みを見かけません。なぜ、暗黙知理論が大事なのでしょうか?」
確かに唐突に映ったかもしれません。
以前のコラムで私は、まずは古典的マーケティングの考えの象徴たる4Pを批判いたしました。次に、現在最も拠り所としている論者の多いであろうSWOT分析が使えないものだとご説明しました。
このようなものが使えないものであるということは、マーケティングの世界には統合的な理論というものが存在しないというのが現状なのです。
ほんとうに、全てロクなものでないものばかりなのでしょうか?
そうだとは言いません。
各論としては、すばらしいマーケティングの論考は、いくつもあります。
ただし、それらはあくまでも各論の領域に限定した上での話ばかりなのです。
例えば、手巻き腕時計の優秀な職人達が個別に作った歯車等の部品を持ち寄ったとしても、腕時計としての作動原理のわかった人が部品を組み立てないと、腕時計としての機能はいたしません。
その作動原理に該当するものが、4PやSWOT分析のようなものではないとすれば悲しいことに、マーケティング理論の中には、全体を司る腕時計の作動原理のようなものは存在しないということになります。
いくらすばらしいと思われる各論を持ち寄ったとしても、いつまで経っても腕時計の針は動きません。
現在のマーケティングは、そのような状態に陥っているといって良いでしょう。
暗黙知理論的に申しますと、包括的全体が腕時計が正常に動くことだとしますと、各論的に歯車の形の仕上げばかりにこだわっていても、それはいわば、諸細目のひとつなわけで、包括的全体なしに歯車にこだわっていることは、知の働かせ方が間違っています。
暗黙知理論を言い出して、発言に思想・哲学めいたイメージを持たれてしまったかもしれないのですが、マーケティングに致命的に欠けているのが、上記、作動原理にあたるものなのです。暗黙知理論は、新しいマーケティングのパラダイムを形成する可能性のある唯一とも言って良い理論だと考えるに至った上で、取り上げさせていただいている次第です。
何度も申している通り、各論に属する事柄をどうこう問題にすることは、そのことだけしかやらないのなら、マーケティングが趣味娯楽の世界のものに終わってしまことにもなりかねません。私はあくまでも、「統合化」「普遍化」への道があるという前提のもとに、各論や現場の事例に関わる姿勢を持ちたく考えます。
ただし、「統合化」「普遍化」への道は険しく困難な道であるかとは思います。
そうだとはいえ、包括的全体に視線がいかないマーケッターは、基本的に怠惰だと思います。
投稿B:「暗黙知とは?になって今まで以上に抽象的な発言ばかりですね」
前回までのお話では、そのように思われても仕方がないでしょう。
なぜなら、大半のマーケティング理論が、欧米で流行っているとか、主要何社が既に導入している実績があるとかの、相変わらずの欧米のものは無条件ですばらしく、それを知識人達がこれまた無条件で輸入することがその人達の実績となるという構図が連綿と存在するのです。
ひとまずは、このような根拠なき厚い前提の壁を打ち破っておく必要があります。
どういうものがオッケーでどういったものがノーであるのか、その依って立つ理論的なこともご披露しておく必要があると感じ、このようなお話をすることにいたしました。
そのうち、具体的なお話もさせていただきますよ(笑)
投稿C:「暗黙知理論によって今後どのようにマーケティング論を展開されていくのか、たいへん興味があります」
私自身、今後どのように展開していくことになるのか、わかっていません(笑)
書いていきながら、様々なことを考えている最中です。
場合によれば、マーケティングというコトバも一端は廃止して、別のコトバによって展開していった方が良いのではないかとさえ考えています。
マーケットというコトバは市場(シジョウ)ということであり、市場経済を前提にしたコトバです。
しかし世の中は、市場経済的ではない現象で満ち溢れているように見えます。
人々の情念や欲、非合理的行動・・・、続々登場する地域通貨、Linuxの開発・・・
マーケティングというコトバが新たな発想を阻害している可能性だってあり得るという前提で再考する時期に、私達は来ているのだと思います。
ここで、「米国でそんなことを言ったら笑われますよ」との発言は何の説得力もありません。このような方こそ、笑われる対象であるはずです。
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ということで、今回はみなさんからいただきましたご質問を元にお送りいたしました。
次回も「暗黙知とは?」をお話いたします。
【プロフィール】
咲本 勝巳(さきもと かつみ)
1965年京都生まれ。ネットビジネスとマーケティングのコンサル業。
住宅・住設・インテリアメーカーのマーケティング会社勤務を経て独立。
明日11日は、亀岡市地域情報化委員会という場で「地域活性化におけるカード活用の先進事例報告とカード情報活用による店舗のマーケティング戦略」をテーマに講演のようなものを行います。
来年3月に報告書を提出する地域活性化の補助金事業での外部コンサルの一員として加えさせていただいています。
このような事業に加えさせていただくのは初体験。地域活性化における問題点が山積していることにビックリしています。
http://www.sakimoto.biz/
mailto:sakimoto@tokeidai.net
(ご意見・ご感想・ご提案お待ちいたしております)
(2001/09/10)











