2002/6/7 金曜日

「21世紀型商売戦略」(#001)暗黙知の経営 (1)

Filed under: 経営戦略, 認知論 — 咲本 @ 22:07:54

『日刊「WEBのツボ」』に掲載
http://www.soho-union.com/

【○】本日のお題 「21世紀型商売戦略」(#001)  ━━
咲本@時計台ネット
▽ 暗黙知の経営 (1)

以前からの読者の方、まいど~!。当メルマガのリニューアルオープン後からの読者の方、はじめまして!咲本と申します。今後ともよろしくお願いいたします。

さて、前回のコラムを書きました際に、「戦略形成への道」というお題で続編をすすめていくと予告いたしましたが、あれから1ヶ月以上経過いたしましたので、ちょっとお題を変えまして、良く似た内容の展開をさせていただきます。

「複雑系の経営」「暗黙知の経営」を標榜されている田坂広志氏が、『成長するマネジャー12の心得 なぜマネジメントが壁に突き当たるのか』(東洋経済)で、マネジメントには深い暗黙知に基づいた7つの性質と7つの知が求められると結論付けされています。

暗黙知については、以前のコラムで何度も書いていますので、もし、そんなこと知らないよという方は、私が以前書いたコラム、特に「暗黙知とは?(1)」などを、先にご覧下さい。

で、7つの性質とは、
(1) 分析によって理解することができない     /分析不能性
(2) 人為的に管理することができない       /管理不能性
(3) 情報に極めて敏感である           /情報敏感性
(4) 小さな変化が大きな変動をもたらす      /摂動敏感性
(5) 一部分だけを独立して変えることができない  /分割不能性
(6) 法則そのものが変わってしまう        /法則無効性
(7) 未来の挙動を予測することができない     /予測不能性
(以上、p.293)

また、7つの知とは、
(1) 個別の分析をするな、全体を洞察せよ     /全体性の知
(2) 設計・管理をするな、自己組織化を促せ    /創発性の知
(3) 情報共有ではない、情報共鳴を生み出せ    /共鳴場の知
(4) 組織の総合力ではない、個人の共鳴力を発揮せよ/共鳴力の知
(5) 部分治療ではない、全体治癒を実現せよ    /共進化の知
(6) 法則は不変ではない、法則を変えよ      /超進化の知
(7) 未来を予測するな、未来を創造せよ      /一回性の知
(以上、p.294)

ご興味のある方は、同書をお読みいただくこととして、これらを眺めてみて、従来型のコンサル屋さんがよく行うような方向性とは全く違うとの感想を持たれませんか?

同書は、企業のマネジャーがどうすれば良いのかについての本ではありますが、これは当然、コンサル屋にもあてはまることなのではないでしょうか?

私自身も分析や人為的管理、未来予測などなどにこだわる従来型のコンサルがいかに「使えない」ものかを、手を変え品を変えお話してきたつもりです。
そのお陰か、名前を名乗らず、しかも所属企業がわからないように個人メールアドレスという形で、(多分従来型コンサルさんであろう方から)批判メールを多数頂戴する結果となっております(苦笑)
はじめての人にメールを送る時には、必ず所属と氏名を書きましょう(笑)

企業内部の暗黙知を切り捨てず、むしろ深い暗黙知を活かしていくには、田坂氏のご指摘になる点は、大変重要であるかと思います。

でも、このままですと、もう少し具体的に語ってもらわないとわかりにくいです、とのお声が聞こえてきそうですね。

本当に具体的なところを語ろうとすれば、充分1冊の本になってしまうほどの量になってしまいます。
他の方法としては、私のコンサルを受けていただく必要があります(笑)
以前からお読みいただいている方は、私のコラム全てが一貫して暗黙知を前提にした姿勢からお話をすすめてきていることがおわかりかと思いますが、それだけでは説明にはなっていませんので、今回も「暗黙知の経営」実践ポイントのうち、一点だけご指摘させていただきます。

前回のコラムで申し上げたような企業の「基本理念」を明確化し、しかもそれをパートさんも含む全スタッフが、心の底からその通りだと信じ切ることが出来ること。
「基本理念」は、企業の進む方向性や夢のようなものもわかるようなものであること。
つまり、光り輝く北極星のようなものが全員に見えていること。
更には、個々のスタッフがこの夢のようなものに沿った形で、企業の中における個人としての大きな目標や夢が持てること。

これは経営陣が何がなんでも取り組むべきことです。
暗黙知を活かした企業環境を作り上げるには必須です。

実際に取り組むには、多大なるご苦労が想定されるのかもしれません。

景気低迷による閉塞感をお感じの経営者もいらっしゃるかもしれません。

でも、上記のポイントをしっかりと取り組めば、きっとそのような閉塞感など全く感じることなく、経営を進めていけるはずです。

是非とも実践していただきたいと思います。

次回も「暗黙知の経営」続編を続けさせていただきます。

【プロフィール】
咲本 勝巳(さきもと かつみ)
1965年京都生まれ。マーケティングという言葉にとても違和感を持つマーケティングのコンサル屋。

6月11日に高校生相手に初めて講演を行うことになりました。
「暗黙知」とか言ってもさっぱりわからないだろうから、どんな話をしようかな?
今から楽しみです。

最近めっきり読書量が減ってます。
ちょっと反省しないといけませんわ。
6月後半の半月間は、読書週間にすると、公衆の面前で宣言しておきます(笑)

http://www.sakimoto.biz/
mailto:sakimoto@tokeidai.net
(ご意見・ご感想・ご提案お待ちいたしております)
(2002/06/07)

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