豆腐メーカーの差別化戦略
『ビジネスにマーケティング☆を走らせよう!』に掲載
http://www.mankai.biz/
「豆腐メーカーの差別化戦略」
マーケティング・コンサルタント 咲本 勝巳
こんにちは!咲本です。
今回は豆腐メーカーにまつわるお話をさせていただきます。
ちょうど、6月18日に京都商工会議所でさせていただいた講演の中で一部分お話させていただきました。
講演にお越しいただいた方には、復習という位置づけでお読み下さいね。
▼お豆腐メーカーは困っている?
お豆腐って、みなさんお食べになりますか?
ちなみに日本豆腐協会の発表資料によりますと、「豆腐の年間消費数量および金額はこの10年間ほぼ横バイ状態にある」ようです。
http://www.tofu.ne.jp/
豆腐は日常的に買ってもらえる商品とはなっています。
しかし、ジワジワとデフレスパイラル・消費低迷の波が見えつつあるのが現状のようです。
そんな中、豆腐メーカーとして、いかに差別化して商品を打ち出していくのか?
これは、豆腐業界にかかわらず、他の業界にもかかわる問題となります。
▼先日の講演から
6月18日に行いました講演の一部で、この差別化するのにどのような方法があるのか、そのヒントをご紹介しました。
- 業界発想から自由になる
- 既存技術を組み合わせる(例:ケータイ+デジカメ)
- ニッチなところで世界一になる(例:ギネス記録)
- ネーミング・パッケージ・コンセプト・見せ方を見直す(特に、意外なネーミング戦略のご紹介)
- 商圏概念から解放されるネットを活用する
それぞれについて、具体的な事例と共にご説明させていただきました。
今回のコラムでは、「1.業界発想から自由になる」という点につきまして、豆腐メーカーの事例をご紹介しつつ、差別化の方法について考えていきたいと思います。
▼豆腐メーカー「ソイズ」の新商品
報道によりますと、『豆腐メーカーのソイズは6月23日より「ソースで食べるおとうふ」(118円)を東海、関西のコンビニで発売します。カップタイプで だしではなくいろいろな味のソースをかけて食べるおしゃれな豆腐です。味は、梅、キムチ、ゴマ、だししょうゆの4種類。』とのことです。
このコラム執筆しているのは6月23日なのですが、コンビニで見つけることが出来なかったため、メーカーに問い合わせましたところ、7月中旬からサークルKの東京・東海・関西地区で発売されることに変更されたようでした。
執筆時に食べられなくて残念!
▼業界発想から自由になった豆腐
この商品が面白いと思いましたのは、3つの点で業界発想から自由になっているからです。
まず、豆腐はお豆腐屋さんやスーパーで購入し、自宅で食べるものという業界発想。
それに対して、コンビニで買うカップタイプなので、オフィスでの昼食後に、デザート感覚で食べることが出来ます。
最近の健康志向にも合致していますよね。
次に、豆腐はショウユをかけて食べるものという業界発想。
対して、梅、キムチ、ゴマ、だししょうゆの4種類のソースから選べるという、豆腐を食べる際の違った楽しみ方を提供しています。
最後に、豆腐は四角いものだという業界発想。
この商品は、下記の通り、丸いパッケージであり典型的な豆腐のイメージを払拭した現代的な感覚を持っています。
![]()
このように、業界発想を一つ一つひっくり返していくことによって、全く新しい価値を持った商品を開発することが可能となります。
▼京豆腐で有名な老舗では?
では、京都で人気の高い二大老舗では、現在どんな展開がなされているのでしょうか?
まずは、「とようけ屋山本」では、カスピ海ヨーグルト菌で作った自家製豆乳ヨーグルトや、ブルーベリーソース付・沖縄波照間産黒蜜付の豆乳プリンなどが販売されています。どちらも丸い透明容器に入っていて、まるでデザート感覚ではないでしょうか!
http://www.toyoukeya.co.jp/news.htm
一方、「京とうふ藤野」では、アイスケーキや豆乳クグロフケーキ、豆乳の二層ゼリーなど、こちらもデザートジャンルの商品を展開されています。
http://www.kyotofu.co.jp/FS-Trade/shop01/user/index.html
http://www.kyotofu.co.jp/contents/m_desert.html
さすがに有名な老舗では、新しい商品提案がなされてますね。
▼トレンドをのみ追いかければ良いのか?
では、豆腐メーカーのソイズは、新商品開発をするにあたって、有名老舗の提案する新商品をトレンドとして追いかけていき、その動向から発想していけば良いのでしょうか?
ソイズの新商品も、何となく感覚的には似ていなくもありませんよね。
その点について、私は、最新トレンドについてのアンテナを張り巡らすことを否定はしませんが、それだけでは、今回のような新商品発売ということにはならなかったのだろうと考えます。
トレンドらしいものを出す企業も、大抵が「やってみないとわからない」という状態でスタートする場合がほとんどであり、そういったフワフワしたものばかりに影響を受けるだけでしたら、ロクな発想が出てこないからです。
これは何よりもまず、「普通、私達の業界だったらこのように考えるよね」といったことを、全て疑ってかかることにより、新たな価値提案が出来ないだろうかという不断の思考が必要とされていることだと言えます。
もっと細かなことを言いますと、日々のルーチン化している業務の一つ一つを、これで良いのだろうか?と、他の方法を考えてみようとするところからも、思わぬ発想が得られる場合も多いです。
時々刻々、世の中は変化していっているわけでありますので、そんな中、「業界の常識」と思われているようなことほど、疑わしいものはないということです。
世の中が変化しているのに、変化していないと受け取ったほうが、日々の業務は楽に決まっています。
何も考えなくて済むわけですから。
でも、実際はそんなわけではありませんので、「世の中が変化している」という事実をそのまま受け入れることが、始めの一歩だとも言えるでしょう。
まずは、それをそのまま受け入れ、業界発想を打破する「勇気」を持って発想するところからスタートいたしませんか?
■プロフィール
咲本 勝巳(さきもと かつみ)
eビジネス、組織論、経営戦略、現代思想にとても高い関心を持つマーケティングのコンサル屋。
関西SOHOデジタルコンテンツ事業協同組合 理事
関西ベンチャー学会 理事
7月12日に京都EGGS例会で「インターネットでの商売で儲けるには?」と題して講演します。(参加無料)
この件につきましては、ご担当畑中氏: mailto:hatanaka@dehenken.co.jp
7月28日は京都全日空ホテルでパネルディスカッション「踊る京都の中小企業!その元気の源泉は?」と題してコーディネータをいたします(参加無料)
この件につきましては、ご担当井上氏: mailto:inoue@ki21.jp
私についてご興味のある方は硝子張り公開→ http://www.sakimoto.biz/
(2003/06/25)









