仕事は、個人的なものだ!
『ビジネスにマーケティング☆を走らせよう!』に掲載
http://www.mankai.biz/
「仕事は、個人的なものだ!」
マーケティング・コンサルタント 咲本 勝巳
みなさん、こんにちは!咲本です。
10月23日夕刻に、以前のコラムに掲載したことのある京都祇園の高台寺に行ってきました。
普通のお寺なら、ライトアップ用に970もの照明設備を配置したことだけで話は済むのですが、このお寺は、何といっても方丈前庭「波心庭」でのライトアップでどんな出し物をするのか、世界中から注目されます。
今回のライトアップのテーマは「夢幻」。
ライトアップ光景@京都新聞↓
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/topics/2003oct/23/W20031023MWD2K1E0000099.html
このテーマの説明を高台寺公認庭師でライトアップの総合プロデューサ-である北山氏は次のようにご説明されます。
今回、1500本もの円柱型で様々に色付けされたガラス棒を使用していますが、これらは光が当たって初めて見える存在です。
しかも、RGB3色のLED(発光ダイオード)をコンピュータ制御してガラスに当てて光を変えることによって、輝きが変化していきます。LED採用により、様々な色の光を当てることが可能となったことと、水中からの照射が容易になったとの表現方法が拡がったことは、技術的に注目すべきポイントと言えるでしょう。
すなわち、ガラス棒は光があたって初めて存在するように見えるものであり、しかも照射する光の色によって、違った見え方をするのです。
今まで、芸術作品と言われるようなものは、作品が厳然として存在し、観る側へ
その観方も含めて強要する場合が多かったのではないでしょうか?
今回のライトアップでは観る側が主役です。ガラス棒は、見えたり見えなかったり、一本ごとにその時々に様々な色で光輝くという、どのように存在する・存在しないは、観る側のココロの問題なんです。どのように感じるかも含めて。
北山氏は、更には、「夢幻」と「幽玄」との境界はどこにあるのかという問題提起さえされていました。
▼「波心庭」に池を造った!
最も驚いてしまったのが、今回のライトアップ用に庭に池を造ってしまわれたこと。
池の水をポンプのようなものを使用して、「チョロチョロ」という水の流れを音で聞かせる仕組が仕込まれていました。
でも普通、有名なお寺の庭に、ライトアップ企画用とはいえ、池まで造ってしまうお寺って、高台寺以外には日本全国存在しないのではないでしょうか?
そのようなことまでアッという間にやってしまう北山氏のお寺からの信頼度と、そんなことを許容するお寺の度量には感服するばかりです。
▼マーケティング的観点からは
『インジブル・マーケティング』(つまりは目に見えないマーケティング?)の著者、ハリー・ベックウィス氏は、著書のまえがきで次のように述べられています。
翌月曜日、小さな箱がオフィスに届いた。あの有名なファースト・カンパニーの社名が入っている。早速包装を破ると帽子が出てきた。帽子の背に謎の言葉が書かれていた。「Work is personal(仕事は、個人的なものだ)」。もう一度読んでみた。「仕事は、個人的なものだ。」いったい何のことだ?何が言いたいんだ?
頭の中で鳴り響いた。「仕事は、個人的なものだ」
この場合の「仕事」とは、ビジネスのことだけではない。人間としての私たちの個人的な営み全体を指すのだろう。つまりビジネスにおいて、人間的な側面──乱暴で、感情的で‥‥‥要するに人間なればこその側面──はただ重要というだけでなく、「すべて」なのである。すなわち、私たちはフィーリングの世界というインビジブルな未知の領域に飛び込んでいかねばならないのだ。
ビジネス、なかでもマーケティングに関する重要な洞察は、たとえばピーター・ドラッカー、フィリップ・コトラー、セオドール・レヴィットたちから学ぶことができる。しかし、同時にシェークスピアからも多く学べるし、ひょとしたら、ダニエル・ゴールマンのバス運転手からさえ学べるかもしれない。ビジネスは我々が演じる人間ドラマの一つの舞台を提供するにすぎない。ビジネスという舞台のほうはよく理解していても、人間ドラマについてははるかにわかっていないのではないだろうか。
できるマーケターは、思考のための素材がぎっしり詰まった場所を探している。
何かのイベント、面白い動き、ちょっとしたデータなど。だが、どれも一見しただけでは、はっきりわかるものではない。これらインビジブルで雑多な情報の中からおいしいものだけを選び取り、自分なりにアレンジできるマーケターこそが、ビジネスに変革のパワーを注入できる。アイデア、戦略、戦術。ときに私たちが望んでいる答は答ではなく、ある問題に対する新しいモノの見方であることが多い。たとえば、例の帽子にある言葉、「仕事は、個人的なものだ。」そして、突然、霧が晴れる。
あなたが「違い」を生み出し、そして、新しいモノの見方を手に入れられるよう願っている。
▼北山庭師のインビジブル・マーケティングの実践
このハリー・ベックウィスの文章は、以前に講演やコラムで暗黙知の重要性について、お話した際に引用したことがあるものです。
私の個人的な見解では、彼の核心をつく表現であるはずです。
鋭い読者の方であれば、今回の高台寺ライトアップで北山氏が取組まれたことと重ね合わせようとされたかもしれません。
で、実はこの引用したことと北山氏の取組みは見事に合致します。
それは、当日ご本人からお聞きした以下の発言から、容易に推察出来るのです。
「普通の状態でいる時に指示して、これでオッケーと思っていても、翌日腹の立つことがあって、ムカムカして前日指示したものを見ていると、それはダメだからと、変更指示を出してしまう。その時の感情によって、モノの見方が影響され違った見え方をしてしまう。」
→戦略・戦術のようなものだけで、仕事は出来ない。
最終的に最も重要なところは、「個人的」に判断するようなものとなる。
作品の完成度・魅力度は、北山氏の「個人的な仕事」に大きく左右される。
従って、もしコンサルタントという立場でかかわる場合に重要な点は、そのビ
ジネス路線として進んでいくことに、クライアント企業の方々が、どれだけの
深い確信を持って取組んでいけるようにするのかという点が、戦略・戦術指導
以上に重要となってくる。
「どこまでやっても完成と言えることがない作業です。自分自身も未熟なところ
がいっぱいある。最終的には自分の強いところを最大限発揮して、その最大限と
思えるところで満足出来る点を見出し、完成としないとキリがないんですよ。」
→個人的に得意とする庭に石を配置する際のコツを、大量のガラス棒三角錐にま
とめて、配置するアイデアを思い浮かんだ際に採用されています。
三角錐の結節点に「はちまき」を巻かれ、それによって中央から見た場合の高
さや、重なってしまわない三角錐の配置の指示をされています。
ほかにも、いくつも気付いた点がありましたが、誌面の関係上言い切れません。
▼新規ビジネス立ち上げを観察した結果
今回はちょうど拝見する機会のあった高台寺ライトアップを事例にお話いたしましたが、これって、ビジネスと縁遠いようでありながら、実はこういうところをヒントにしていただきたいという私の個人的想いがありましたので、ご紹介させていただきました。
当メルマガ執筆者の生島さんが強調される中で、社長の人間性という点がありますが、この視点についても「仕事は個人的」というところで、話を補完出来るのではないかと思っています。
では、次回のコラムもお楽しみに!
■プロフィール
咲本 勝巳(さきもと かつみ)
eビジネス、組織論、経営戦略、創業、ベンチャー、現代思想にとても高い関心を持つマーケティングのコンサル屋。
大阪市立大学・大学院創造都市研究科アントレプレナーシップ研究分野「創業アドヴァイザー」
関西ベンチャー学会 理事
関西SOHOデジタルコンテンツ事業協同組合 理事
まだ言えませんが、経済特区構想にのっとった話でオファーがあり、1日がかりで協力したところです。
もし万が一、申請が認可されると、ギャラは安いながら、役職としては説得力のある地位に就任するということがあるかもしれません。
11月15日に京都府商工会連合会開催の「創業塾」で「企業の情報化」について、講演させていただきます。
また、11月26日には、8月に引続き、石川県能都町で講演させていただくこととなりました。翌日は、輪島地区見学、夜は金沢宿泊なので、2泊するイベントです。
何でこんなに私は石川が好きで、石川県側からもオファーをいただけるのだろうか? 先祖も含めての、「ご縁」を感じざるを得ないです。
今度、久しぶりにギャラの発生するコラムを愛知県の財団発行紙で書かせていただくこととなりました。このメルマガ程度の文字数で、講演料並の原稿料がもらえるとは!
11月21日は、東京の立川商工会議所で「大競争時代を勝ち抜く起業家精神!~創業者への応援メッセージ~」と題して講演予定です。
関東地区の方々、ご都合よろしければ、是非お会いいたしましょう!
ご担当問合せ先:東京商工会議所菊池様 mailto:kkikuchii@tokyo-cci.or.jp
私についてご興味のある方は硝子張り公開→ http://www.sakimoto.biz/
(2003/10/27)











