マネジメント
『日刊SOHOのツボ!』に掲載
http://www.soho-union.com/soho/
「SOHOによく効く書籍」(#003)
咲本@時計台ネット
【○】本日のお題「マネジメント」━━━
みなさん、こんにちは!咲本です。
前々回、『はじめの一歩を踏み出そう 成功する人たちの起業術』に、事業を立ち上げる人には「起業家」「マネジャー」「職人」という3つの人格を併せ持っており‥‥、というくだりがあることをご紹介しました。
そして前回には「起業家」的人格、とりわけ「アントレプレナーシップ」と呼ばれるものがどのようなものであるのかについて、書籍をご紹介いたしました。
さて、今回は「マネジャー」的人格に効く書籍をご紹介いたします。
マネジメントについて語る前に、それではマネジメントを行使するマネジャーとは一体どのような仕事をしているのであろうかということを把握しておくことが重要です。
本書でミンツバーグがそれを解明するまでは、マネジャーの職務について具体的な事柄が何も知られていないまま、マネジメントの議論がなされてきたのです。
マネジメントを語る経営学の大家も、マネジャーの仕事に無知または大きな誤解をしたまま、マネジメントを語っている場合が多いことが明らかになります。
例えば、経営者の仕事について説明される際によく使われる「POSDCORB」。
P:Planning(計画化)、O:Organizing(組織化)、S:Staffing(人員配置)、
D:Directing(指揮)、C:Coordinating(調整)、R:Reporting(報告)、
B:Budgeting(予算化)
これらの事柄についていくら説明されたとしても、マネジャーにとって何も役に立たず、せいぜいのところ、「われわれが無知である領域に名称をつけるのに役立」つ程度のものだったことがわかります
役に立たないことの事例として、次のような引用がなされています。
本社販売担当重役の何人かは、計画作成を各営業所の管理活動の一つとみなしている。しかし、計画作成という活動は、分析、技術、および人間関係スキル以上のものなのだろうか。また、マネジャーは、本当に腰を落ち着けて、セールスマンの育成・監督、製品の需要予測、営業所の運営などの個別問題を関知せずに「さて、これから計画づくりをしなければならない」などと定期的に公表するものであろうか。
本書ではマネジャー達の観察を多くの文献情報により補強し、
マネジャーの仕事にある6つの明確な特徴
マネジャーの仕事上の10の役割
などが明らかにされています。
様々なマネジメント書を読む前のはじめの1冊としてこの本を読まれることで、マネジャーとして取組む際に、机上の空論となるビジネス論を見分けることのできる眼差しを持つことに貢献してくれます。
P・F. ドラッカー『マネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版]』
本書をひとことで言いますと、マネジメント論を代表する必読教科書となるものです。
世界中で長年にわたり絶賛され続けている本です。
明快であり、いつまでも記憶に残りやすい名言だらけです。
でも私は敢えて批判もしておきます。
それは、ドラッカーでさえ先程ご紹介した「POSDCORB」をベースに説明しているのです。
マネジャーが日々立ち向かう現実は、複雑で時間の余裕もなく、計画したことがすぐに変更せざるを得ないものであり、ドラッカーのように明確に語れる世界とはほど遠いがゆえに、ドラッカーのいうように実践できるというのは非現実的といえます。
つまりマネジメントを評論家として説明するには便利であるけれど、実際にマネジャーがそのまま「使える」というものではありません。
そういった前提で読まれませんと、単なる評論家としての知識にしかならないと私には思えます。
くらた まなぶ『MBAコースでは教えない「創刊男」の仕事術』
前2作とは本の趣が全く違います。
著者はリクルートに20年勤務する中で14のメディアを創刊させた方で、彼のやってきた経験から、仕事に「使える」ものを目指して書かれたのが本書です。
人の会話を事例に出されている点が非常に多いです。
これはマネジャーの特徴として、文章にすることよりも、圧倒的に口頭で済ますことが多いことにもよるのでしょう。
「使える仕事術」というだけあって、ホントにそのように思える術がたくさん散りばめられています。
これを実用書として読むことが普通かと思うのですが、私の提案として、本書に書かれた指摘が、ミンツバーグとドラッカーの発言のどこを指して言っているのか、対比させて読んでいきますと、奥行きのあるマネジメントについての考え方が得られるのではないかと思います。
▽ 補足
マネジメントの教科書的なものとしましては、ジョアン・マグレッタ『なぜマネジメントなのか』も体系だててバランスよくまとめられた本だと思います。

これ以外にもマネジメントに関する本は、実にたくさん発行されています。
しかしながら、教科書的な本をいくら読みましても、実務としてのマネジメントに直接役立つとは言い難いわけです。
これらマネジメントの教科書的な本を読まれるのであれば、必ずミンツバーグの前掲書を先にお読みになってから、つまりはマネジャー像をしっかりと持たれ、その像に当てはまるように頭の中で再構成されて理解されるべきであると指摘しておきます。
次回は、「SOHOによく効くeビジネス書」についてお話する予定です。
【プロフィール】
咲本 勝巳(さきもと かつみ)
1965年京都生まれ。京都在住。eビジネス、組織論、創業、ベンチャー、経営戦略、現代思想にとても高い関心を持つマーケティングのコンサル屋。
関西ベンチャー学会 理事 http://www.kansai-venture.org/
大阪市立大学・大学院創造都市研究科アントレプレナーシップ研究分野「創業アドバイザー」 http://www.gscc.osaka-cu.ac.jp/
起業・マーケティングによく効くメルマガ「週刊☆ビジマ」発行人
http://www.mankai.biz/
今、オークト.comにハマっています。 http://www.orkut.com/
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(2004/02/16)














