2004/4/26 月曜日

起業家像

Filed under: 読書 — 咲本 @ 8:25:36

『日刊SOHOのツボ!』に掲載
http://www.soho-union.com/soho/

「SOHOによく効く書籍」(#008)
咲本@時計台ネット

【○】本日のお題「起業家像」━━━

みなさん、こんにちは!咲本です。

今回はSOHOも起業家のひとつの形態であるという意味で、成功された起業家像に見られる共通点を探ることというのが、たいへん参考になるのではないかと思いまして、「起業家像」に焦点を当ててみました。

戦略経営の発想法 ビジネスモデルは信用するな木村 剛『戦略経営の発想法 ビジネスモデルは信用するな


2004年3月に発行されたばかりの新刊です。

みなさんの中で、金融政策のエコノミストが、なぜ、このような書名の本を著したのだろうか?
なぜ、戦略経営と名の付く書籍を「起業家像」とのテーマで私が紹介するのだろ
う?
との疑問を持たれる方がいらっしゃるかもしれません。

実は、本書での木村剛氏の立場は、新興コンサルタント会社の創業経営者の立場として書かれたものなのです。

また、起業家像としては、ご自身の体験してきたことは勿論のこと、ダイヤモンド社編集部の協力を得て、以下のような日本を代表する経営者へのインタビューをまとめあげて作られたものだからです。

京セラの稲盛和夫名誉会長、キッコーマンの茂木友三郎社長、オリックスの宮内義彦会長、信越化学工業の金川千尋社長、森ビルの森稔社長、HISの澤田秀雄社長、ドン・キホーテの安田隆夫社長、ワタミフードサービスの渡邉美樹社長、ローソンの新浪剛史社長、楽天の三木谷浩史会長。

木村氏は、このような経営者達に共通する「戦略経営の発想法」を、経営学者のピーター・ドラッカーの著作の中から、9つの法則を抽出し、それに当てはめて語られています。

9つの法則に加えて、唯一木村氏の主張する法則というのがあり、それは「ビジネスモデルは後知恵である」というものです。

それは『ベンチャービジネスが成功する本質が、「ビジネスモデル」にあると勘違いしたら、すぐに破綻してしまう』ということで、『「ビジネスモデル」は確かに経営の役に立つ』ものではあるが、『真の意味で、「ビジネスを成功させる決め手」にはなり得ない」ものでもあります。

というのは、これらはすべて「技術」あるいは「テクニック」の話である。そして、「技術」にすぎない話なのである。これらの「技術」が「経営」そのものだということはないし、ましてや「経営」を代替できるものでは決してあり得ない。

ビジネスモデルをこのように位置付けられているくらいなので、第2章に代表的な経営戦略論の紹介、例えばマイケル・ポーターの「5フォース」やマーケティングの「4P」、「SWOT分析」などのごく簡単な紹介が出てきます。

しかし、その直後に『本書において、いわゆる経営学的な「経営戦略論」をこれ以上展開するつもりはないからだ。あるいは、コンサルタントたちが商売を宣伝するために書くノウハウの一部開陳などということをするつもりもない。というのも、本書の狙いは、「ビジネスモデルで商売はできない」ということを証明することにあるからである』と話をひっくり返されます。

このことは、靴下屋チェーン店「ダン」の越智直正社長の発言を引用されて次のようにも批判されています。

背番号3を背負って、長嶋と同じバットを握ったら、どんな野球選手でも長嶋並みのホームランを打てまっか?あの人ら(大学の先生や商工会議所の偉い方)はそんな研究ばっかりしよりまんねんや。隣の奥さんが料理上手やと聞いたら、オクサン、どんなナベカマ使とりますねやと聞きに行くタイプよ。くだらん英語ようけ使うて。

私自身はコンサルタントでメシを喰っている人間ですが、何年も前から木村氏や越智社長と同様の立場を取ってきましたので、「うまいこと言うなあ」と思わず感心してしまいました。

改めて、木村氏の書籍発行の3年前にはイロイロと発表していたコラムについての感想・批判をいただきたいと思います。
http://www.crafting.jp/blog/4p/
http://www.crafting.jp/blog/swot/
http://www.crafting.jp/blog/strategy_building/

そして、その後の展開は、経営者達から得た発言を木村氏流に編集し直したものが300ページ以上続くのです。

ドラッカーから得た教訓と、経営者達の生の声とが見事に結び付き、非常に説得力をもって展開されています。

ちなみに、随所にテレビに登場するような「机上の空論エコノミスト」批判が散りばめられています。

その連中と同類と思われるのも迷惑だ・・・
という意識が強いようで、「机上の空論エコノミスト」をやり込めようとされる議論が随所で行われています。

気持ちはわからなくはないのですが。。。

私も、以前書いたコラムを読んだ「匿名」読者から、たくさんの批判メールが舞い込み、議論はしても、結局不毛に終わってしまいましたので。

でも、やはり挑戦的な書であることは間違いなく、そのような攻めに出た木村氏を、私は評価する。

斎藤貴男 起業家に会いにゆく『斎藤貴男 起業家に会いにゆく』


本書も起業家24人の取材をベースに起業家像をまとめられたものです。

先程の木村氏の著作にも紹介されていますダンの越智社長や楽天の三木谷会長も取材されています。

第1章から第5章までテーマをあげてまとめられていますので、起業家像への注目点が明確になっており、たいへんわかりやすいです。

この2冊を併せ読むことで、成功する起業家に共通するポイントが、浮き彫りとなってくるかと思います。

すべては一杯のコーヒーから松田 公太『すべては一杯のコーヒーから』


前2著とは違い、本書はタリーズコーヒーの松田社長自らが著わした上場に至るまでの起業体験本です。

三和銀行の銀行マンであった松田氏が、シアトルで出会ったスペシャルティコーヒーに感動し、何のアテもなく銀行を辞め、苦労の末アポなしでタリーズコーヒー創業者のトム・オキーフへの直談判を実現させ、7000万円の借金で銀座に第1号店を開店などなどと説明しますと、あまり面白くも何ともないのですが(笑)、
何から何まで手に汗握る綱渡りの連続を重ねての起業体験であったことが、迫力をもって伝わってきます。

創業後3年2ヶ月というスピードでスターバックスより早く株式公開したことばかりに目が行きがちですが、金ナシ、コネナシ、商品知識ナシの松田氏が、なぜ、起業できて、しかもうまくいったのか、各章の冒頭にあるメッセージをかみ締めながら考えていただきたいと思います。

【プロフィール】
咲本 勝巳(さきもと かつみ)
1965年京都生まれ。京都在住。eビジネス、組織論、創業、ベンチャー、経営戦略、現代思想にとても高い関心を持つマーケティングのコンサル屋。

関西ベンチャー学会 理事 http://www.kansai-venture.org/

大阪市立大学・大学院創造都市研究科アントレプレナーシップ研究分野「創業アドバイザー」 http://www.gscc.osaka-cu.ac.jp/

起業・マーケティング・eビジネスによく効くメルマガ「週刊☆ビジマ」発行人
http://www.mankai.biz/

余談になりますが、起業家像に焦点を当てた本で一風変わった本があります。

経営者の精神史 近代日本を築いた破天荒な実業家たち山口 昌男『経営者の精神史 近代日本を築いた破天荒な実業家たち』


文化人類学者の著者が、幕末・明治・大正の実業家を掘り起こしたものです。

びっくりしましたのは、伊庭想太郎という人物で、肩書きとしては、東京農学校校長、日本貯蓄銀行頭取、江戸川製紙場長生社社長、文学社学園会会長、四谷銀行相談役という、すごい人物です。

ところが、大臣経験もある人物が収賄を行った可能性が高いことを聞きつけた伊庭は、「江戸主義の美学に反する人物」だと結論付けて、なんと、テロ行為で殺害してしまったのです。

裁判の結果、終身刑。

なんとも日本近代には、型破りというかユニークというか、そんな起業家像が多いことに驚かされます。

そういったところを痛感させるという意味では、日本の近代というのは西洋の猿真似をしていったということに、歴史上は認識されていました。

ところが、山口氏の書籍を見渡しますと、その複数の登場人物によって、西洋風複式簿記を企業に導入したりする、まさに猿真似をする起業家像が見受けられるわけですが、一方では、そんな先進的起業家成功事例たる人物が、テロを行ったり、茶人であったり、喜劇作家であったりするのです。

財閥経営者かつ喜劇作家というのは、現在はおそらくあり得ないはずです。

そんな「あり得ない」経営者達が、当時の産業界の中枢にはウヨウヨいました。

そんな事実を気付かせてくれるのが、この本です。

基本的な近代的ビジネス思想は、猿真似的に導入したけれど、人物像まで追及すれば、西洋とは明らかに違ったのが、明治・大正の日本近代だったということが浮き彫りになってきます。

それと比べて、現在の日本はどうなのでしょうか?

明らかにアメリカから学ぼうという風潮が強すぎなくはないでしょうか?

日本人の潜在性を過小評価し過ぎていないでしょうか?

猿真似と位置づけされている、明治・大正時代の起業家以上には、日本としてのオリジナリティを確立したいと、私は考えます。

私のことはWebでガラス張り公開中→ http://www.sakimoto.biz/
mailto:sakimoto@tokeidai.net
(ご意見・ご感想・ご提案お待ちいたしております)
(2004/04/26)

2004/4/12 月曜日

ハイテク・マーケティング

Filed under: 読書 — 咲本 @ 3:00:59

『日刊SOHOのツボ!』に掲載
http://www.soho-union.com/soho/

「SOHOによく効く書籍」(#007)
咲本@時計台ネット

【○】本日のお題「ハイテク・マーケティング」━━━

みなさん、こんにちは!咲本です。

みなさんの中には、SOHOあるいはベンチャーとしてハイテク系のお仕事に携わっていられる方もいらっしゃるかと思います。

また、そうじゃない方にとりましても、ハイテク系についてまわる特徴的な現象を知っておくことは、重要だと思います。

なぜなら、ハイテク系の業界で起こっていることが、今や他の業界でも起こってきつつあるからです。

今回はそんなハイテク系のマーケティングによく効く書籍をご紹介させていただきます。

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすときクレイトン・クリステンセン『イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』


本書は業界をリードする優良企業でも、著者のいう「破壊的イノベーション」に対応出来なければ、破滅に道に至ることがあることを解き明かしたものです。

新しい技術が開発されても、その市場には自社の技術が大きなシェアを獲得していたり、新しい技術の市場規模が非常に小さなものとしか思えない場合には、通常ならその技術開発には参入しないと判断されがちです。

ところが、この技術が「破壊的イノベーション」となり、一挙に市場を占拠するようになることがあります。

気が付いた時にはすでに遅すぎるという事態を招くことがあります。

かといって、新しい技術の芽全てに投資していくことなどできません。

このジレンマをいかに乗り越えていけばよいのかを語っているのが本書です。

ハイテク産業の事例が多いながら、現在のように変化の激しい時代には、業種を問わず見つめ直さなければならない問題が提起されています。

古典的名著といえるものです。

尚、久しぶりに続編として発売された下記もおすすめです。

イノベーションへの解―利益ある成長に向けてクレイトン・クリステンセン マイケル・レイナー『イノベーションへの解―利益ある成長に向けて』

こちらも古典的名著という言葉があてはまる本です。

キャズムジェフリー・ムーア『キャズム』



「キャズム」とはハイテク製品をブレイクさせようとする際に陥る落とし穴のことです。

ハイテク製品は、イノベータと呼ばれるオタク層に対しては、製品スペックを詳細に示せば、自分自身で判断して購入してもらいやすいです。
彼らは世の中の人達が使っている・いないは全く関係なく、購入します。

その次にくるアーリー・アドプター層も、その製品を購入するにあたっての深い知識があり、まだ製品がほとんど普及していないにもかかわらず、「これは今後普及するに違いない」とリスクを持って判断し、いち早く購入する一部の少数者です。

この層に売れ始める頃には、メーカー側として若干の手ごたえのようなものを感じ始めることができるわけです。

ところが、次に待っているのが「キャズム」なんです。

同じようなセールスを行っていますと、この深い落とし穴にはまってしまうと著者は主張します。

次の大きな層、アーリー・マジョリティへの販売には、この深い穴を飛び越えて、つまり、売り方を変える必要があるのです。

このあたりの議論はハイテク業界に限らず、SOHOや中小企業がものを売ろうとする際にも、適用できるのではないかと私は考えます。

これは、マーケッター森行生氏に従っていいますと、いわゆる「スキミング戦略」について詳しく語られた書であると言い換えることができます。

一般消費者向けの商品販売については、森氏の下記著作のほうが参考になるであろうことを、一言付け加えさせていただきます。

改訂 シンプルマーケティング森 行生『改訂 シンプルマーケティング』


↓「モジュール」という概念を企業の組織化に持ち込んだ、これまた古典的名著と言ってもよい本です。

オープン・アーキテクチャ戦略—ネットワーク時代の協働モデル国領 二郎『オープン・アーキテクチャ戦略―ネットワーク時代の協働モデル』


この本の書評は、2001年に書いたことがありますので、詳しくはそちらをご覧になってみて下さい。(少し、批判めいた発言もしています。)
http://www.crafting.jp/blog/modularity/

いずれにしましても、「ネットワーク時代の経営モデル」を考えるにあたって、たたき台としてもよい本なのではないかと思います。

【プロフィール】
咲本 勝巳(さきもと かつみ)
1965年京都生まれ。京都在住。eビジネス、組織論、創業、ベンチャー、経営戦略、現代思想にとても高い関心を持つマーケティングのコンサル屋。

関西ベンチャー学会 理事 http://www.kansai-venture.org/

大阪市立大学・大学院創造都市研究科アントレプレナーシップ研究分野「創業アドバイザー」 http://www.gscc.osaka-cu.ac.jp/

起業・マーケティング・eビジネスによく効くメルマガ「週刊☆ビジマ」発行人
http://www.mankai.biz/

5月12日(水)に(財)京都産業21で、5月21日(金)には京都商工会議所で講演を行います。
今回はどちらも、インターネット・マーケティングについてのお話となりそうです。
詳細が決まりましたら、また発表させていただきますね。

私のことはWebでガラス張り公開中→ http://www.sakimoto.biz/
mailto:sakimoto@tokeidai.net
(ご意見・ご感想・ご提案お待ちいたしております)
(2004/04/12)

2004/4/2 金曜日

Webブランド構築から経営革新へ

Filed under: eビジネス — 咲本 @ 9:36:13

『ビジネスにマーケティング☆を走らせよう!』に掲載
http://www.mankai.biz/

「Webブランド構築から経営革新へ」

マーケティング・コンサルタント  咲本 勝巳

みなさん、こんにちは!咲本です。

前回は私の仕事の立場のようなことを書かせていただきましたが、今回はそれに引き続き?Webのブランド構築の取組みを、経営革新に結び付けるという切り口についてのお話をさせていただきます。

先日お会いしました読者のWさん、お話させていただいた中でそんなことも私は言ってましたよね(笑)

▼ Webを見れば企業の姿がわかる

折に触れて大事件となる不祥事を起こした企業のWebが、いかにダメなのかについて、コラムや講演で語ってきました。

その企業の体質がWebサイトに反映される場合というのがたいへん多いからです。

ちなみに、鳥インフルエンザ問題で物議をかもしている浅田農産のWebサイトを見てみましょう。
http://www.asada-egg.co.jp/

ご覧いただければ一目瞭然のように、閲覧できるのは2月28日に掲載されたお詫び文だけで、他のページも見ることができず、お詫びの更新もされていません。

このお詫び文からは、浅田農産にメールで問い合わせするための情報すら掲載されていないという点で、事実上Webサイトを一時閉鎖するということを示していると考えます。

マスコミがどのような報道をしたとしても、唯一自由に情報発信できるのが、Webの特性です。

これを放棄したということは、企業内には後ろめたい経営姿勢しかないと、自ら表明しているに等しいのでしょう。

また、ロングセラーである「とんがりコーン」について情報を得たいと思い、ハウス食品のWebサイトを閲覧しても、現在何の情報も掲載されておらず、運がよくてもCM情報が得られるだけということで良いのでしょうか?
http://www.housefoods.co.jp/

雪印の不祥事、ミスタードーナッツを運営するダスキンの不祥事などは、当時のWebサイトのお詫びのタイミングが数日遅かったです。

今までの経験上、企業のWebサイトを観察していきますと、その企業の経営姿勢がわかってきます。
特に、ダメな部分ほど顕著にわかってしまいます。

ある意味で、企業Webサイトが経営姿勢を写し出す鏡のようになりつつあるといえるのではないでしょうか?

▼ 経営革新のメスの入れ方についての新たな方法

ほとんどの経営者は、まずい対応をしていることくらい、あらかじめわかっています。

でも、浅田農産のような対応をする企業が、依然いくらでも存在します。

このような「わかっちゃいるけどやめられない」という状況に陥らないようにするには、どうすればよいのでしょうか?

企業改革を行うという強い意思を持ち、経営理念や経営戦略を見直すというのは容易に考えられる定番的な考えなのでしょう。

しかし!そうやって考え出した経営理念が現実には「絵に描いた餅」となる場合がほとんどなのではないでしょうか?

格好のよい経営理念なんて、優秀なコピーライターに依頼すれば容易に作ることができます。

現実の経営はそれではダメなんです。

そういったジレンマをブレイクスルーさせる方法として、私が推進させているのが、Webサイトでの積極的な情報発信を行っていくことです。

事業計画書の見直しよりも効くこと間違いなしです。

▼ Webサイトでの積極的な情報発信とは?

では、それは具体的にはどんなWebサイト運営を指すのでしょうか?

コンサルティングの場では、個々の場合に応じて言うことが違いますが、全ての企業に共通する基本的な構えをお話しましょう。

その構えは、自社の情報について、都合のよいこと・悪いことに関わらず、ほぼリアルタイムで自社Webサイトで情報発信をし続けると決心することです。

例えば、お客様からクレームのメールが来たとすれば、いち早く謝罪した上で、早急に改善し、その旨をお客様にご連絡するという体制です。

こういったWebサイト方針での決心があれば、浅田農産も情報隠しなどすることなく、現在のWebサイトとは全く違う内容が表示されているものだと想定します。

問題は、情報公開とか情報の透明化ということになります。

Webサイト上で情報公開したくないことがあるのなら、いち早く改善すればよいのです。

逆にメリットのある情報があれば、早く情報公開しようとなります。

先程も言いましたが、ベタなリアルの経営理念とかから経営革新をし始めましても、成果の出ない場合が多いのです。

それは今までの経験が染み付いていて、外部からイロイロ言われたとしても、それには表向きは賛同したフリをしながら、本音ではそう思っていないことから発生します。

Webサイトであれば、ページビュー、コンバージョン・レート、ユニークユーザー数、1人あたりのページビュー、ユーザーに共通する動線動向、キーワードによる検索順位動向、などなどのデータから、具体的な改善点を提案していくことが可能となります。

企業内の誰がどんな働いたふりをして数字だけ残したことも、その手法が騙しテクニックでの成果なら、Webでは公表できません。

つまりは、全ての企業活動をWebで積極的に情報発信するという経営判断が、知らず知らずのうちに、あこぎなやり方を防ぐことになるのです。

企業内に、堂々と情報公開してよいことが推奨される空気が発生します。

極論を言えば、社内で許されない行動だと明らかになった人物を、Web上で外部に公開し、彼の謝罪文も公開、もしそのようなことが今後あれば、掲示板に書けるように設定すればよいのではないかと思うほどです。

これは、社長にも求められるものです。

そんなことを言うと、引く経営者の方が多いかと思います。

でも、経営者が「引く」ようなうしろめたさを持っている点で、その企業はダメ企業だと断言します。

では、何から始めたらよいかって?

お答えいたしましょう。

トップページに役員全員の顔写真とフルネーム、個人メールアドレスを公開すれば、それでオッケーです。

何?変なメールがいっぱいくるって?

来るわけがありません。
人に恨まれることや、よいサービスを提供している企業であれば。

そのような決心なく、経営革新だけ云々していても、何度も言いますが、それは「絵に描いた餅」経営ですよ(笑)

追伸
あらら、ブランド構築について、語っていませんでした。
実は、今回お話していることは、Webブランド構築の基本だと思っています。
でも、せっかくお話し始めたわけですので、次回改めてブランディングについての議論をさせていただきますね。

■プロフィール
咲本 勝巳(さきもと かつみ)
eビジネス、組織論、経営戦略、創業、ベンチャー、現代思想にとても高い関心を持つマーケティングのコンサル屋。

大阪市立大学・大学院創造都市研究科アントレプレナーシップ研究分野「創業アドバイザー」 http://www.gscc.osaka-cu.ac.jp/

関西ベンチャー学会 理事 http://www.kansai-venture.org/

関西SOHOデジタルコンテンツ事業協同組合 理事
http://www.kansai-soho.or.jp/

「およそ語られうることは明晰に語られうる。そして、論じえないことについては、ひとは沈黙せねばならない。」ヴィトゲンシュタイン『論理哲学論考』

本当にそうなのだろうか?
メタファーを駆使したり、身振り手振りを使ったり、限界まで語り切った先に、ほのかに見えてくるものとかないのだろうか?

私は上述のヴィトゲンシュタインの説に異を唱えたい。

ビジネスのことばかり考える頭を、時にはこんなことを考える頭にしてリフレッシュしてみたい気になります。

私についてご興味のある方は硝子張り公開→ http://www.sakimoto.biz/

mailto:sakimoto@tokeidai.net
(2004/04/02)

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