2004/7/23 金曜日

Webブランド化、7つの問題点 その3

Filed under: eビジネス — 咲本 @ 9:58:56

『ビジネスにマーケティング☆を走らせよう!』に掲載
http://www.mankai.biz/

「Webブランド化、7つの問題点 その3」

マーケティング・コンサルタント  咲本 勝巳

みなさん、こんにちは!咲本です。

ちょこっとご無沙汰となっています。

今回は、前回でお話いたしました「Webブランド化」についての問題点の第3弾をお送りいたします。

▼ 問題点4「各種お問い合わせ」

WEBサイトというのは、双方向性を特徴としているという、いわば当たり前の点を、しっかり活用されていない場合が、意外と多く見受けられます。

双方向性を代表するものとして、メール送信フォームを事例に見てみましょう。

まずは、ルイ・ヴィトン
http://www.vuitton.com/en/tools/contact.jhtml

ご覧の通り、なぜだかメッセージ記入欄しか存在しません。

氏名は?、メールアドレスは???、どうすればよいのでしょう???

とりあえず、一切がっさいの情報を、このウインドウ内に記述して、送信ボタンと思われる三角印を押せば良いのでしょうか???

実は、このウインドウ内にはメッセージだけを記入し、三角ボタンを押せば、次の画面上に、氏名やメールアドレス等々の個人情報記入欄が登場するのです。

でまた、次にどうなるのか不安を覚えながら三角ボタンを押しますと、「メールおおきに!」の表示と、どこの国の人なのかクリックして下さいとのご案内が登場します。

で、該当国をクリックしますと、やっとのことで、出来るだけ早めに返事しますと書かれた表示がなされます。

WEBとしてのブランドを考えた場合には、双方向性の代表選手たるメール送信フォームが、こんなに不安を書き立てるもので良いのでしょうかねえ。。。
https://wws.louisvuitton.com/web/html/yourquestions/contact.jsp?langue=ja_JP&buy=0&

では次に、シャネルの場合を見てみましょう。
http://www.chanel.com/nav/html/newframeset.php?zone_lang=ASIJP

eメールでの問い合わせをクリックしていただくとおわかりいただけるのですがメールソフトが起動する仕組みとなっています。

このやり方の問題点は、ユーザー側が使用されているメールソフトによっては、メールソフトが起動しない可能性があることです。

なぜ、普通にメール送信フォームを設置できないのでしょうかねえ???

どちらのWEBサイトも、FLASHを多用されていて、表現力豊かで、とっても美しい
ものに仕上がっているだけに、メール送信フォームの部分が、信じられないような弱点となっていて残念です。

ちなみに、メール送信フォームを設置する場合には、送信内容の確認画面を作っておかれることをおすすめします。

なぜなら、ネット通販の場合には、特定商取引法で注文内容確認画面を作るように、法律によって指示されており、メール送信フォームも、それに準ずるものだと思うからです。

▼ 問題点5「コミュニケーション」

これも、WEBという双方向性という性質にまつわる問題点です。

ご覧いただいたような全くダメなメール送信フォームを採用する時点で、ユーザーとのコミュニケーションを拒否しているも同然です。

例えば、「スターバックス」というキーワードで検索しますと、スターバックスジャパンがトップで引っかかってきます。
http://www.starbucks.co.jp/

で、このWEBサイト内をいくら探してみましても、メールアドレス表示もなく、メール送信フォームも見当たりません。

コミュニケーションを拒否するスターバックスの姿勢にがっかりしたユーザーは検索結果のページ内に存在する他のWEBサイト、

例えば、「スターバックスと新しいもの大好き 」
http://starbucks.exblog.jp/

あるいは、「スタバへ行こう」
http://www5a.biglobe.ne.jp/~coffee/starbucks.html

のような、個人運営のWEBサイトに、タムロすることとなります。

メール・コミュニケーションをしたいと思う、一部の熱烈なスタバ・ファンとコミュニケーションを取ろうとしないことで、口コミというかネットコミというべきかは別として、せっかくのスターバックス・エバンジェリストを味方として引き付けることに失敗されてます。

今は、「スタバ・ファン」であっても、このような方が、いったん裏切られた気分となった場合には、大きなダメージを与える行動に出る可能性があります。

ソロバンをはじいたら、このような濃いファンを、今後とも継続的にファンであり続けるためのインセンティブくらいは与えられてもよいかと思ってしまいます。

例えば、非売品のマグカップを進呈するとか。。。

でもねえ、組織が大きすぎて、メール送信フォームなんて、設定できないんだよ。

こんなご意見も出てきそうですね。

では、こんな悩みをどのように解決すればよいかと申しますと、カルチュア・コンビニエンス・クラブさん、つまりはツタヤWEBサイトが参考となります。
http://www.ccc.co.jp/quick/request.html

このように、1ページ内に分野別に整理して、クリックしてメール送信した結果が、個々の担当部署に送信されるようにしておけば、WEB担当者に余計な負担がかからずに済むのです。

次回のコラムは、このお題での最終回を書かせていただきます。

■プロフィール
咲本 勝巳(さきもと かつみ)
eビジネス、組織論、経営戦略、創業、ベンチャー、現代思想にとても高い関心を持つマーケティングのコンサル屋。

大阪市立大学・大学院創造都市研究科アントレプレナーシップ研究分野「創業ア
ドバイザー」 http://www.gscc.osaka-cu.ac.jp/

関西ベンチャー学会 理事 http://www.kansai-venture.org/

関西SOHOデジタルコンテンツ事業協同組合 理事
http://www.kansai-soho.or.jp/

7月21日開催の京都商工会議所で5年目のセミナーシリーズでの講演、お陰様で大好評でした。

ただし、「Web活用による販路開拓の進め方」と名乗ったシリーズであるにもかかわらず、WEB以外の話を満載という形で、意図的に参加者のイメージを裏切りました。

まあ、毎回のようにやっている手口なんですがね(笑)

今月だけで、新規コンサルティング案件が2社確定し、あともう1件がどうなるのかという状況です。

なぜ、急に案件が舞い込んだかというと、私のコンサル案件受注に動いて下さる「営業部長」さんのおかげです。

クライアントさんは、この方の話を無視できないという重みのある発言のできるポジションにいらっしゃるかたですので、推薦さえしていただければ、ほぼ自動的にクライアントとなっていただけます。

推薦いただいて、その企業さまとお会いさえすれば、咲本トークに深くご納得いただけて、ご契約いただけます。

ホント有り難い話です。

これも、ひとつのブランド戦略かもしれませんね。

私についてご興味のある方は硝子張り公開→ http://www.sakimoto.biz/
mailto:sakimoto@tokeidai.net
(2004/07/23)

2004/7/19 月曜日

ブランド論

Filed under: 読書 — 咲本 @ 1:18:14

『日刊SOHOのツボ!』に掲載
http://www.soho-union.com/soho/

「続・SOHOによく効く書籍」(#002)
咲本@時計台ネット

【○】本日のお題「ブランド論」━━━

こんにちは!咲本です。

前回のコラムで、マーケティングという枠組みで語られることには、前時代的な発想がつきまとう傾向があり、21世紀的な発想で考えるためには、ブランドという切り口から取り組んでいったほうが良いのではないかと最近感じることがあると述べました。

ブランドといいますと、SOHOをやっている立場ではあまり関係のないことだと思
われるむきもあるかもしれません。

でも、そんなことはありません。

実は、一個人から小規模事業、大企業に至るまで、大いに関係あります。

商品・サービスが多種多様化し、情報が溢れかえる反面、企業不祥事が多発する世の中にあって、あなたの事業活動がお客さまに信頼され、選ばれる存在となるには、ブランドとしての活動が不可欠なのです。

ということで、今回はブランド戦略についての本をご紹介させていただきます。

ブランド・マネジメント

Harvard Business Review『ブランド・マネジメント』


米国によく見受けられるようなマス広告を大量に垂れ流すことがブランド戦略かのような風潮が、以前にはよくありました。

本書で最も注目すべきなのは、第4章「マスメディアを使わないブランド戦略」です。

この章で米国流マス広告頼みの戦略が時代遅れとなりつつあることが指摘された上で、ヨーロッパ系企業の6社を事例に出して、ブランド戦略のポイントが展開されます。

ここで最も強調されているのは、「ブランド・アイデンティティの明確化」という点です。

これはすなわち「組織に取り込まれ、事業のビジョン、組織文化や価値観にリンク」したものであるということです。

では、それが具体的にどういったものとなるのかという点について、「ザ・ボディショップ」や「ハーゲンダッツ」などの企業事例によって、明確に語られています。

またその中で、「ビジリビリティ(視覚に訴える力)」が過小評価されていたことも指摘されます。

ビジリビリティといっても、その戦略としてマス広告による露出だけに限られるものではありません。

イベント開催やイベントへのブース出展、広報を強化してのメディア掲載、社会貢献活動の実践等々、非常に多くの方法が存在します。

SOHOであれば、WEBサイトの活用や講演活動によるビジリビリティアップ対策なんていうことは、とても重要な取組みだと思います。

本書は、Harvard Business Review誌掲載論文を編集して1冊の書物にされたものですが、その割には「ブランド・マネジメント」について必要な切り口が網羅されており、よくまとまったものとなっています。

ブランド論に関する本を読み漁りますと、この本の論考をパクッていたり、引用している本がいかに多いことかに驚かされます。

そういった意味も含めまして、ブランド戦略について学びたい方なら、まず最初に読まれることをおすすめします。

次回は、ビジリビリティを考える際に、切っても切れない関係にあるメディアについて、つまりは「メディア論」をお題におすすめできる本をご紹介する予定です。

【プロフィール】
咲本 勝巳(さきもと かつみ)
1965年京都生まれ。京都在住。eビジネス、組織論、創業、ベンチャー、経営戦
略、現代思想にとても高い関心を持つマーケティングのコンサル屋。

関西ベンチャー学会 理事 http://www.kansai-venture.org/

大阪市立大学・大学院創造都市研究科アントレプレナーシップ研究分野
「創業アドバイザー」 http://www.gscc.osaka-cu.ac.jp/

起業・マーケティング・eビジネスによく効くメルマガ「週刊☆ビジマ」発行人
http://www.mankai.biz/

【あとがき・近況】
★まずは、宣伝から(^^;
いよいよ開催間近となりましたセミナーシリーズも、有料セミナーであるにもかかわらず、予想以上のお申込をいただき、感謝いたしております。
滑り込みで今からでもお申込可能ですので、ご興味のある方は是非!
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★★ 7/21,23,30京都商工会議所で、WEBマーケティングの裏技大公開!! ★★
『今年で5年目の人気シリーズ!!』
ほんまのほんま、販路の拡大を目指したWebサイトの再構築
◆◇◆◇◆◇Web活用による販路開拓の進め方◆◇◆◇◆◇
詳細は→ http://www.kyo.or.jp/nouritsu/seminar/syousai16/0721web.htm
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★先週・今週とで、新規クライアントが一気に3社増えることとなり、現在、超
多忙状態となりつつあります(汗)

講演する機会も、クローズドな場合を含めますと、比較的多いのですが、やはり
私が好きなのは、現場のコンサルティングです。

講演はコンサルティングと比べますと、はっきり言って、全力投球するとはいえやはり楽な側面の方が多いという意味で「おいしい」です。

でも、コンサルティングの現場で成果が出る喜びと比べれば、仕事の満足度としては、かなうものではありません。

現場に重きを置いて活動していることによって、いわゆるセミナー屋さんよりも骨太な成長ができるものだとも思っています。

★リクルート社のアントレ編集「独立事典04→05」の「自宅で始める」コーナー
に掲載いただきました。なんか、ちょっと恥ずかしい気持ちです。
http://entre.yahoo.co.jp/magaplaza/mook/index.html

★こんなコラムを書き続けていますと、さぞかし大量の本を読んでいるとの印象を持たれている方もいらっしゃるかもしれません。

でも、実際には自分自身で読みたい量とのギャップが激しく、読書時間を増やすためにどうしようかと悩んでいるところです。

ということは、こんな私ごときで読書量が多いと思われた、あなた自身の読書量の方が、深刻な問題なのではないでしょうか?

私のことはWebでガラス張り公開中→ http://www.sakimoto.biz/
mailto:sakimoto@tokeidai.net
(ご意見・ご感想・ご提案お待ちいたしております)
(2004/07/19)

2004/7/5 月曜日

統合マーケティング

Filed under: 読書 — 咲本 @ 1:18:14

『日刊SOHOのツボ!』に掲載
http://www.soho-union.com/soho/

「続・SOHOによく効く書籍」(#001)
咲本@時計台ネット

【○】本日のお題「統合マーケティング」━━━

こんにちは!咲本です。

本日より「SOHOのツボ」が新執筆陣のもと、再開いたします。
しばらくは4人の執筆者で書いていきますので、週2回月・水の配信となります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、今回始まる私のコラムのお題ですが、今まで書いてきました書籍紹介コラムにおいて、まだ紹介しきれていない書籍がたくさんありますので、続編としてこれから10回書かせていただくことにいたします。

では、第1回目のコラムをはじめます。

統合マーケティング戦略論ドーン・イアコブッチ ボビー・J・カルダー『統合マーケティング戦略論』


マーケティングの教科書といえば、フィリップ・コトラーだということが世界的に浸透しています。

ところが、コトラーの教科書的位置づけとなる『マーケティング原理第9版』は912ページもあり、価格も税込8,400円もするということで、ひるむ方も多いのではないでしょうか?
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478502102/

その点、本書は税込3,780円と、コトラーと比べましたら、まだ手が出しやすいです(笑)

そして、「統合マーケティング」を主張する点において共通しています。
(コトラーも以前ならそのような主張を全面に出すことはなかったのですが、この第9版には鮮明に主張されています。)

「統合マーケティング」とは、大量生産・大量消費の近代に確立された伝統的なマーケティング手法が通用しなくなりつつある昨今、One to Oneマーケティングや、Web活用など、新しい手法と伝統的マーケティングをうまく統合しようとの立場を指します。

この立場を、私自身は全面的に賛同するわけではありませんが、世界的にマーケティングにおけるトレンドとなっていることは間違いのないところです。

先日、とある大学教授の方とメールのやり取りをしている中で、下記のようなご返事をいただきました。

「○○大学のときにマーケティング専攻の人たちに聞いた話ですが、コトラーというのは、研究者として独創的な業績を上げた人というよりも教育者だということです。
つまりマーケティングを教育可能なものにするために、例えば4Pのようなツールを作り上げて、誰でもが理解可能な、つまりマーケティングを職人芸からサラリーマンのツールにしたということです。
しかしだれにでも使える道具というのは、使い込んだ人にとっては不満の残るものですから、咲本さんのような職人にとっては、不満を感じるのではないでしょうか?」

私もこの意見に賛同します。

つまりは、誰でも理解可能なフレームワークを作ったことは、大いに評価されるところなのですが、誰でも使えるツールであるがゆえに、使っても凡庸な結果しか得られないということでもあります。

マーケティングを取り組むのであれば、少なくともこれくらいの知識を得た上でこの知識を乗り越えるつもりでちょうど良いのかもしれません。

本書の特徴も簡単にご説明しておきましょう。

本来、ノースウェスタン大学大学院ケロッグスクールのMBAテキストとして、学者によって書かれたがゆえに、論文調のお堅い文章です。
でも、事例が豊富な点で少し助かります。

カタカナ用語が多く登場しますので、それをそのままカタカナで捉えるのではなく、現実感を持った形で、すなわち日本語でリアルにイメージできるように捉えるようにする必要があります。

カタカナ用語を暗記して賢ぶることには、何の意味もありません。

すぐに使えそうなツールが、第4章「インタラクション・マップ」、第5章「ブランド・コンタクト目録」と、2つ存在します。

これだけでも、読んで元は取れた感があるかと思います。

なぜなら、著者達の伝統的マーケティングと新しいコンセプトを「統合」しようとの意思に反して、この2つのツールを積極的に活用することによって、コトラーの「4P」の呪縛から開放されることになります。

※4Pが何かおわかりでない方は、私が3年前に書いたコラムをご参考にしてください。
http://www.crafting.jp/blog/4p/

最近感じますことは、マーケティングという枠組みで語られることには、前時代的な発想がつきまとう傾向があり、21世紀的な発想で考えるためには、ブランドという切り口から取り組んでいったほうが良いのではないかという点です。

そんな著者の意図されてない参考となる点を部分的に含まれている書として、本書を推薦します。

ちなみに次回は、流れ的に「ブランド論」にまつわる書籍をご紹介させていただく予定です。

【プロフィール】
咲本 勝巳(さきもと かつみ)
1965年京都生まれ。京都在住。eビジネス、組織論、創業、ベンチャー、経営戦略、現代思想にとても高い関心を持つマーケティングのコンサル屋。

関西ベンチャー学会 理事 http://www.kansai-venture.org/

大阪市立大学・大学院創造都市研究科アントレプレナーシップ研究分野
「創業アドバイザー」 http://www.gscc.osaka-cu.ac.jp/

起業・マーケティング・eビジネスによく効くメルマガ「週刊☆ビジマ」発行人
http://www.mankai.biz/

所属している関西ベンチャー学会編集ということで、来年秋を目指し、『ベンチャー・ハンドブック』を刊行することになりました。
なぜだか、私が編集委員の一員となり、マーケティングの章を担当することになりました。
「ベンチャー」という冠がありますので、大企業の話中心のコトラーをそのまま紹介するようなことはせず、全く違った切り口から書こうと思ってます。

それにしましても、多くの研究者である方々を取りまとめるというのは、非常に難しいことだなあと、始まったばかりの段階で認識させられてます。

先日6月30日に、京都私立大谷高校の総合学習枠で、「eコマース」の講義をしてきました。
1年生が対象でしたので、まだ幼さが残った人達が相手でした。
思春期のデリケートな時期を送っている生徒さんを相手にお話するというのは、ある意味、オッチャン相手の講演よりも苦労することを認識しました。

私のことはWebでガラス張り公開中→ http://www.sakimoto.biz/
mailto:sakimoto@tokeidai.net
(ご意見・ご感想・ご提案お待ちいたしております)
(2004/07/05)

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