デザインとは?
『日刊SOHOのツボ!』に掲載
http://www.soho-union.com/soho/
「続・SOHOによく効く書籍」(#010)
咲本@時計台ネット
【○】本日のお題「デザインとは?」━━━
こんにちは!咲本です。
私の「続・SOHOによく効く書籍」というコラムも今回で10回目。
このコラムが最終回となりました。
といっても「SOHOのツボ!」が終わるということでは決してありません!
その後も「続・続SOHOによく効く書籍」として書かせてもらうかもしれませんし他のお題で書かせてもらうかもしれません。
引き続きのご愛読をお願いいたします!
さて、SOHO事業者の方の中には、何らかの形で「デザイン」ということに関わっておられる方が多いのではないかと思います。
グラフィックデザイン、ウェブデザイン、空間デザイン、‥‥。
更には、「コミュニケーション・デザイン」と位置付ければ、全ての事業者に関
係するテーマとなるのではないでしょうか?
では、早速おすすめ書籍のご紹介に移ります。
著者は長野オリンピックの開閉会式プログラムや2005年愛知万博プロモーションニッカウヰスキーやAGFの商品デザインなど、幅広く活躍されていて、数々のデザイン賞を受賞されているデザイン界の重鎮です。
書名の説明をしますと、デザインとは何かわからない人に、デザインとはこういうものである!と、デザインということについてデザインした書という意味だと思われます。
「ではデザインとはどういうことなのか」という説明をするのにあたって、実際のプロダクトデザインの写真を掲載しながら説明していく展開となっていますので、たいへん説得力を持って主張が伝わってきます。
例えば、トイレットペーパーの芯を四角くして紙を巻いたトイレットペーパーが写真とともに事例として説明されます。
私のような素人は、「またまた、奇をてらっただけと違うの?」と思いがちになるわけなのですが、説明を読んで「なるほど!」と納得しました。
それは、
器具に装填してこれを用いると引き出すときに必ずカタカタカタという抵抗が発生する。通常の丸いタイプだと軽く引っ張っただけでスルスルスルーッと滑らかに紙を供給してしまう。必要以上に紙を供給する設計になっているのである。トイレットペーパーを四角くすることでそこに抵抗が生じる。ゆるい抵抗の発生はすなわち「省資源」の機能を生むわけであるが、資源を節約しようというメッセージも一緒にそこに発生する。さらに、丸いトイレットペーパーだと重ね合わせた際に隙間がたくさん生じるが、四角いとそれが軽減され、運搬やストック時の省スペースにも貢献するのである。
この事例から、
デザインは生活というポジションから見る文明批評である。これは今日にはじまったことではない。デザインという考え方・感じ方はその発生に遡って批評的なのである。
という結論に導かれます。
たった、丸いものが四角いものに変わった中に、デザイナーはこれだけのメッセージを発生させることができるわけです。
そういえば、私自身は80年代に当時流行した「ポスト・モダン」ブームに踊らされた経験を持っています。
思想界では浅田彰が火付け役となり、建築界では磯崎新の発言を数多く耳にし、流通業界では西武セゾングループの「おいしい生活」キャンペーンが派手になされていました。
ポスト・モダンは名前のとおり、モダンを乗り越えるムーヴメントとして世界的にも大きなうねりとなったわけなのですが、湾岸戦争以降すっかりとなりを潜めました。
著者は、遊びのデザインに走った一時的迷走がポスト・モダンであって、まだモダンは続いていると言われてます。
本書を読み進むうちに、いわゆる一般的なデザイナーから抱くイメージとは必ずしも合致しないデザイナー像が浮かび上がってきます。
それは、下記のような発言からも伺えます。
デザインは技能ではなく物事の本質をつかむ感性と洞察力である。だからデザイナーの意識は社会に対していつも敏感に覚醒している必要がある。そういう意味でも、時代の変化に応じてデザインのフィールドを揺さぶって、それを世の中の適正な場所に再配置していくことが大事なのだ。
デザイナーは本来、コミュニケーションの問題を様々なメディアを通したデザインで治療する医師のようなものである。だから頭が痛いからといって「頭痛薬」を求めてくる患者に簡単にそれを手渡してはいけない。診療をするとそこには重大な病気が隠れているかもしれない。時には手術も必要になろう。それを発見し最良の解決策を示すのがデザイナーの役割である。「頭痛薬」を売ることに専念しているデザイナーは安価な頭痛薬が世間に流通すると慌てることになる。
これを私流に言い換えますと、医師のようなものとはコンサルティングができるということでもあり、デザイナーは一流のコンサルタントでもあるべきであると言われているのも同様なのではないでしょうか?
逆に、私のようなコンサルタントとしては、著者のいう「デザイン」への眼差しを持っていなければ、一流のコンサルタントとは言えないということになってきます。
ということは、読者ターゲットとしてコンサルタントの人達も入ってくるわけです。
道理で2003年10月第1刷の本書が、2004年9月に第12刷にまでなるという、この手の単行本としては異例の売れ方をしている理由がわかったような気がしました。
【プロフィール】
咲本 勝巳(さきもと かつみ)
1965年京都生まれ。京都在住。eビジネス、組織論、創業、ベンチャー、経営戦略、現代思想にとても高い関心を持つマーケティングのコンサル屋。
関西ベンチャー学会 理事 http://www.kansai-venture.org/
大阪市立大学・大学院創造都市研究科アントレプレナーシップ研究分野
「創業アドバイザー」 http://www.gscc.osaka-cu.ac.jp/
起業・マーケティング・eビジネスによく効くメルマガ「週刊☆ビジマ」発行人
http://www.mankai.biz/
【あとがき】
10月13日は某方と打合せの予定でお会いしたのですが、打合せはごく短時間で終わってしまい、京都北白川の高級店で絶品のフグとカニをたらふくご馳走になってしまいました。
その後、「祇園に行きましょう」ということになり、路地を入ったクラブで呑み始めたところ、舞妓さんと芸妓さんを手配されていたようで、その方々を交えて祇園をハシゴしました。
祇園で遊ばせてもらうのは昨年の某方に連れて行ってもらって以来、今回が二度目です。
まだまだ舞妓さんと呑むことは経験が少なすぎるので、どう対応したらいいのか全くわかりません。
この方いわく、「やっぱり京都文化を知るには、舞妓・芸妓遊びくらいは知っておかないとわからないのと違いますか。私のように遊ぼうと思ったら、少なくとも年間500~600万くらいはかかってしまうけど。でも京都外から来られた方が皆舞妓さんとの席を希望されるので、サブとして宮川町も行ってるねん。」と言われてました。
この方は、私の年齢よりはるかに若い時期から祇園に入り浸っておられたようでそろそろ私も、ちょっとずつでも祇園文化を体験していこうかなあと思いました。
そういえば、私と同世代のまわりの人間が祇園で遊んでいるということを、聞いたことがありません。
そのあたりの動向が、花街の売上低下原因のひとつになっているのでしょう。
でも、仕事をいただく立場の私が、こんなに接待を受けていいものなのかなあとちょっと考えてしまいました。
ご意見・ご感想は→ mailto:sakimoto@tokeidai.net
私についてご興味のある方は硝子張り公開→ http://www.sakimoto.biz/
(2004/11/15)











